父の突然の脱サラにより
父の突然の脱サラにより、実際に数ヶ月間収入が完全に途絶えた我が家。食べざかりの二人の子供のいる家庭で、大黒柱である父の就職のメドがまるでなかった状態。母親はおそらく、気が気でなかったことでしょう。
ある時から、切り詰め生活が突然始まったのを記憶しています。晩御飯が、いきなりラーメンライスになったのです。いつもは品数が多い食卓の上が、ある日突然、各人ラーメン1皿+白米1杯に変わりました。私達兄弟は喜びました。「なんだか定食屋さんみたい!」と無邪気に喜んでいました。晩御飯にラーメンが出るなんて、とても斬新でしたが、今振り返ればあれは、母なりの食費の削減だったのでしょう。
母は「ちょっと今日は一風変えてみたわ。お店風に見えるでしょ」と言っていましたが、どういう心境でそう私達に語ったのか、はかりしれません。
週に何度かラーメンライスが続いていました。子供たちは喜んでいましたが、父がどういう反応だったかは覚えていません。ときには、メニューが若干変わって、うどんライスになっている日もありました。
そのうち、再びいつもの食事風景が戻ってきました。食卓いっぱいに大皿が並んでいました。が、私達兄弟は、ラーメンライスメニューが急になくなったことに不満げでした。
それまで、父母はしょっちゅう夜中に喧嘩していたようですが、その食卓風景に戻った頃から、ようやく父母が仲直りしたように見えました。
今思うと、あの頃に父が仕事を再開し、収入が安定したのだろうと思います。
それでも私は、まだ「うちはきっと、まだまだ貧乏なのだろう」と思い込んでいました(笑)